七面鳥

できるだけ混ざりけの無いやつが 
おまえの好みだったよな
なんなら今夜は
夜に溶けてしまうまで‥
(これも、そのうち音でやりたいなぁ)

記憶が正しければ、本物の七面鳥を見たことはない。
高校生の時の登山で雷鳥には出会ったし、せつないくらいのゾウガメの交尾をホノルル動物園(なかなか魅力のある動物園だった)でビデオに録ったことはあるけど、オレの知っている七面鳥は、腹に詰め物をされて美味しくなったやつと、酒のラベルだけだ。


コロラドの大学に留学した最初の年に、日本から一緒に行った友達がホームステイしていた家の感謝祭ディナーに招かれ、ブルーベリーソースをかけて食べた七面鳥は美味かった。 
ボストンに住んでいたときも、近所のスーパーで、タ-キーハムをスライスしてもらって、サンドイッチにして食べた。 野菜もたっぷり入れてね。

ラベルというのは前回も書いたけれど、「Wild Turkey」というバーボンのことだ。
この酒は101プルーフ(50.5度)なので一般的なウイスキーのアルコール度数40度から比べると、チョット強い。

Wild Turkey2-s.JPG20代の頃のオレには、「大人の男の酒」というイメージだった。
オレにとってバーボンといえばアーリータイムスだった頃に、初めてワイルド・ターキーを飲んだ時はショックだった。

「ウヘッ!ブランディーみてえ!」バーボンのくせにまるい。

当時、ターキーは1万円ぐらいだったから、憧れの酒。
オレのウイスキーリストのダントツトップとなった。(その後、日本酒といえば剣菱だった頃に飲んだ上善水如も衝撃的だった)

渡米してからは、わりと気軽に飲めるようになった。
あの頃、酒屋のオヤジが、オレがターキーばかり買うので「これも旨いぞ」と言って、色々と酒を紹介してくれた。 その中でも「デュワーズのホワイト・ラベル」は、その後のオレの「酒ローテーション」に組み込まれていた。
あ、そうそう。あの頃読んだ日本の小説の中では、「ワイルド・ターキー」とは呼ばずに「オースティン・ニコルズ」と呼んでいて、酒屋で買う時に「オースティン・ニコルズ」とか「デュワーズ」とか言っていたなぁ‥。

実は、しばらく飲んでいなかった時期もあった。 「Old Grand Dad114」とか「Booker's」なんていう他のバーボンを飲んでいた頃や、シングルモルトの、特にアイラのウイスキーにはまっていた頃だ。
でも、久しぶりに飲んだ時に、留学していたコロラドやボストンのことが、鼻先に迫るようによみがえって、それからはまた、飲むようになった。
最近、ボトルのデザインを変え、ガッカリしていたのだけれど、夏はロック、たまにソーダ割りで飲む。

冬はお湯割りもいい。

大雨の中、全然釣れないヒラメ釣りの船の上や、冬キャンプの時、すっかりおとなしくなった炭にかけたヤカンから、お湯を注ぎながら飲んだりすると、たまらない。コーヒーにたらしたりもする。

このごろは、洋酒を飲みすぎると、次の日が無くなりそうになるので、シチュエーションを選んで飲んでいる。
長年の友であるターキーの助けがほしい時や話を聞いてほしい時に飲むことが多い。
頼りがいのありそうな七面鳥を見ながら‥。

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